日常。音楽多め。

東京タラレバ娘

ちょうど3年前「このドラマ本当に現在のうちらみたいだから絶対観たほうがいい!!」と言われたが、私はドラマに興味がなく、ずっと放置していたのだが、最近ふとサブスクで一覧を見ていたら出てきたので暇な時間に全話観た。

 

 

30歳女の『タラレバ』が詰まってるんだけど、ものすごく良かった。

 

 

女同士で「ああなったら」「こうなったら」

と酒飲みながら不毛な話ばかりして盛り上がる。『都合のいい女』『不倫する女』『好きでもないけど妥協して付き合う』『仕事上手くいかないなら男に逃げればいい』『やっぱり仕事頑張りたい』『女の幸せとは』『フィーリングで付き合ってみたけど居心地悪いからすぐ別れる』『やっぱり普通の男がいい』『元彼を忘れられないから今カノがいても2番目でもいいから一緒にいたい』『一晩限りの関係からの進め方がわからない』やら。とてもリアル過ぎたので、きっと当時の私が観ていたら共感し過ぎてヘドバン並みに頷きすぎて首の骨が折れていただろう。

 

結末は今私が感じていることとほぼ同じ結末だったこともとてもよかった。

『自分の幸せは自分で決める。誰かに幸せにしてもらうのではない。結婚したから幸せではない、彼氏がいるから幸せでもない。』

 

 

思わずこのドラマを3年前に勧めてくれた子に電話してしまった。

 

私とこの子は今33歳と34歳。共に仕事で同じ立場でキャリアを重ねて第一線で奮闘している。毎月のようにガヤガヤしてる大衆居酒屋に行き、たまに奮発して美味しいご飯を食べに行く。今は住まいが少し遠くなってしまったり、お互い仕事の休みが取りづらくなってしまったので以前のように頻繁には会えないが昔はよく泊まりに行って朝まで話したり、旅行などもした。

今はもうそんな話しないが、20代半ばには

「なんであの子はあんまり可愛くないのに結婚できたのか」とか

「あの結婚は妥協だね」とか

自分を振った男に対して「あいつは絶対歳重ねても一生独身で40歳くらいになって寂しいって気付いてもキャバにも風俗にも行く勇気がないから金で女を買う未来が見える」とか、

それはもう酷い会話をしていた。

そう、私たちはプライドと理想ばかり高く、とっても性格ブスの女どもだった。少しモテてチヤホヤされるからといってすぐに調子に乗っていたとっても嫌な女どもだった。所謂クソ女どもだった。

ドラマの中のセリフを借りるなら『いつも試合には参加しないでみんなが頑張って戦ってるのをベンチの中から見物して偉そうなことばっかり言ってただけ。そのくせ、チャンスがあればいつでも行けるって自信満々で一番おいしい場面で、ホームランを打てるって信じてた。』

 

 

彼女は誰もが振り返るような美人で男には困ってなさそうに見えるのだがもう10年近く彼氏がいない。合コンへ顔を出してみたり、婚活してみたり、好きでもない人と付き合ってみたりしていたのだが、全然幸せそうではなかった。理想とプライドが邪魔をしていた。

そして30歳になる頃、『私は一生独身でいい。やっぱり一生ヲタ活していたい。それが私の幸せだ。ヲタ活をする為の費用を稼ぐためにキャリアアップする』と宣言した。その時の彼女は彼氏ができた時よりもよっぽど輝いて見えた。そして34歳になった今、とても幸せそうにキャリアを重ね、休日にはヲタ活に精を出している。

 

20代前半の頃は『結婚したい』『私のこと愛してくれる人に早く出会って幸せにしてほしい』とずっと酒飲みながら話していた子がこんなにも変わるなんて私も思ってもいなかった。

 

一方の私も今自分の幸せが何かを聞かれたらすぐに答えることができる。私もちょうど28歳の時にこのままではダメだと気づいた。

幼い頃から植え付けられてきたステレオタイプがあり、その通りに人生が進んでいなければ不幸だとか思っていた。そして自分の周りはそのステレオタイプ通りの幸せを手にしていることに焦りと嫉妬と憧れがあった。

 

 

電話口で彼女は「うちら今めっちゃ幸せだよね〜」と言っていた。昔の口癖は「幸せになりたいよね〜」だったのに。

仕事で必要としてもらえたり、認められたり、休日には好きなことをできたり、好きな音楽の新譜を楽しみにしたり、ライブの予定を入れたり、美味しいものが食べれたり、BiSHを踊ってみたり、好きな時に好きなところに行けたり、相手が自分のことどうとか気にせず自分が心から好きだと思える人と一緒にいれたり。

 

 

 

私は今年社運をかけた重大なプロジェクトの指揮をとることになった。そのため職場が変わるので、喜ばれると思って(立場上嫌われやすい役職なので)直属の部下に異動の話をしたところ全員大泣きして別れを悲しみがりながら、それでもおめでとうございますと祝福してくれた。「もっと一緒に働いて勉強したかった」「私みたいな人になりたい」と言ってくれた。そういう部下と出会えたことを心から幸せだと思える。

 

 

『仕事がうまくいっても意味がない。そうじゃなくって私は男と幸せになりたい』と言い張っていた20代の私よ、男以外のことでもこんなに幸せになっているから大丈夫だ、安心しろ。と教えてあげたい。

休日に1人でおっちゃんばかりの定食屋さんで黙々とご飯食べたり、1人で笑って唸りながら美味しい餃子を食べたり、地味な喫茶店でコーヒー飲んだり、好きな動画観てケラケラ笑ったり、根暗なので地味な趣味に没頭していても独身だろうと何だろうと何にも恥ずかしいことなんてないんだよって。

 

 

 

過去の全てが伏線だったからこそ、今の幸せがあるのは間違いない。大丈夫、間違ってはない。上手くいかない夢も憧れも恋も愛も儚い全ても大切だよね。大丈夫だよ、間違ってはいない、自分を信じて欲しい。と言いたい。

 

 

もうタラレバなんて言わないだろう。とても面白いドラマだった。

 

 

(余談なのだが、私男の人や女の人の趣味が最近変わってきたことにこのドラマ見て気付いた。昔は坂口健太郎なんて全くなんとも思わなかったのだが、めちゃくちゃかっこよすぎてキャッキャしてしまった。そしてこちらはドラマには出てこないが最近ファーストサマーウイカがくっそ可愛すぎて画像検索ばかりしている。)